宇都宮餃子とコラボも 「一日乗車券」新発売 ライトライン乗り放題 使用法はアナログ感

宇都宮ライトレールは、芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」の全線が1日乗り放題となるおトクなきっぷ「ライトライン一日乗車券」3種類を2023年11月3日(金・祝)から発売開始します。

芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」で運行している宇都宮ライトレールHU300形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)
芳賀・宇都宮LRT「ライトライン」で運行している宇都宮ライトレールHU300形電車(Katsumi/TOKYO STUDIO)

開業2か月の滑り出し順調…課題は「遅れ」

日本で初めての新規LRT(軽量軌道交通)路線として注目度が高く、全国の自治体からの視察が相次いでいるというライトライン。8月26日(土)の開業から2か月間が経過し、これまでに合わせて約80万人が利用しました。内訳は、9月25日(月)までの最初の1か月が約42万人、10月25日(水)までの2か月目が約38万人です。

沿線でのイベントが一段落した影響もあり土日祝日の利用者がやや落ち着いてきていますが、計画上の需要見込みを上回る好調な推移です。平日は通勤客の利用が定着し、通学や園外活動、社会科見学など、生活のさまざまな場面での利用も増えてきているとのことです。

10月23日(月)には開業後初めてとなるダイヤ改正が実施され、増便や運転区間延長、運転時刻の調整による混雑緩和が図られています。「清原地区市民センター前」「平石」「飛山城跡」の各停留所にはパーク&ライド駐車場や送迎スペースが設置されていますが、利用者増に対応するため、駐車台数を増やす増設工事が11月中旬以降の完成を目指して行われています。

順風満帆に見えるライトラインですが、目下の課題は「定時性の確保」です。運賃の支払い時、平日は約94%の利用者がSuicaなど交通系ICカードを使っていますが、土日祝日は約85%と、利用率に開きがあります。

ライトラインでは、IC利用者に限りすべてのドアでの乗降を可能とする「信用乗車方式」が採用されており、IC支払いが大半の平日はおおむね定時運行できています。一方の土日祝日には現金利用者が増え、運転士の対応に時間がかかり10分程度の遅れが生じる場面もあるとのことです。今後のIC利用率向上と並び、初めての発売となる一日乗車券もスムーズな乗降に寄与すると期待されています。

(宇都宮ライトレール全線乗り放題となる「ライトライン一日乗車券」の価格、券面見本など詳細は下の図表を参照)

【図表で解説】宇都宮ライトレール全線乗り放題となる「ライトライン一日乗車券」の価格、券面見本

「IC」じゃないけど全ドアから乗降OK

一日乗車券はICに対応していないオーソドックスな紙製ですが、上部には紐を通すパンチ穴が空いており、乗り降りの際は周りから目視できるよう首から下げて使う旨が案内されています。これにより運転士への都度の提示が省略でき、ICと同様に全ドアから乗降してもらうことで遅延防止につながるというわけです。

一日乗車券の発売額は大人用1,000円、子ども用500円です。発売場所は宇都宮駅東口停留所と車両基地(平石停留所)の2か所にある定期券うりばのみで、車内での購入はできません。指定日当日は始発から終電まで何度でも乗り降り自由ですが、営業時間内での発売となるため、早朝から利用したい場合は3日前から購入できる前売りで入手しておく必要があります。

また、宇都宮餃子会とのコラボによる「餃子券300円分」が付いた一日乗車券(大人のみ1,300円)も発売されます。餃子券は、中心市街地のMEGAドン・キホーテ ラパーク宇都宮店内にある「来らっせ本店」での飲食やお土産のほか、JR宇都宮駅構内の「来らっせパセオ店」でもお土産購入に利用できます。

また、すべての一日乗車券を対象に、「来らっせ本店日替わり店舗」で餃子を食事する際に提示すると、ソフトドリンク1杯を無料サービスする特典も用意されます。宇都宮駅東側エリアはライトラインのお試し乗車で賑わいが続いていますが、来訪者を中心市街地にも誘致して開業効果を地域全体に波及させ、将来の路線延伸計画を後押しする狙いもありそうです。

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